リニアモーターは、今(いま)までの鉄道車両(てつどうしゃりょう)のモーターをたいらにのばして直線的(ちょくせんてき)に動(うご)くようにしたもので、このリニアモーターを使(つか)って動(うご)く車両(しゃりょう)のことをリニアモーターカーといいます。
リニアモーターカーは、磁石(じしゃく)の力(ちから)を利用(りよう)して進(すす)みながら浮(う)き上(あ)がる乗物(のりもの)です。磁石(じしゃく)にはN極(きょく)と、S極(きょく)があります。
N極(きょく)と、S極(きょく)は引(ひ)っぱりあい、N極(きょく)どうし、S極(きょく)どうしは反発(はんぱつ)しあいます。
リニアモーターカーは、この磁石(じしゃく)の性質(せいしつ)を利用(りよう)しています。
リニアモーターカーが走(はし)る道(みち)、ガイドウェイの壁(かべ)の両側(りょうがわ)には浮上(ふじょう)・案内(あんない)コイルが取(と)り付(つ)けられていて、車両(しゃりょう)が進(すす)んでくると、このコイルに電気(でんき)が流(なが)れ電磁石(でんじしゃく)となります。
そして、車両(しゃりょう)の超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)との間(あいだ)で、車両(しゃりょう)を押(お)し上(あ)げる力(ちから) [磁石(じしゃく)の反発(はんぱつ)しあう力(ちから)]と引(ひ)き上(あ)げる力(ちから)[磁石(じしゃく)の引(ひ)っぱりあう力(ちから)]が起(お)こり車両(しゃりょう)が浮(う)き上(あ)がります。
また、左右(さゆう)の浮上(ふじょう)・案内(あんない)コイルは、電力(でんりょく)ケーブルで結(むす)ばれ、車両(しゃりょう)が、中(なか)からずれると、中央(ちゅうおう)に戻(もど)す働(はたら)きをします。
車両(しゃりょう)の超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)は、N極(きょく)とS極(きょく)が交互(こうご)に並(なら)べてあります。
地上(ちじょう)の推進(すいしん)コイル[電線(でんせん)を巻(ま)いたもの]には、変電所(へんでんしょ)から電流(でんりゅう)を流(なが)してN極(きょく)と、S極(きょく)を発生(はっせい)させます。すると、車両(しゃりょう)とコイルの間(あいだ)で N極(きょく)と、S極(きょく)の引(ひ)っぱりあう力(ちから)、N極(きょく)どうしとS極(きょく)どうしの反発(はんぱつ)しあう力(ちから)が起(お)こり、車両(しゃりょう)を前(まえ)へ進(すす)ませます。
現在(げんざい)、超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)で使用中(しようちゅう)のニオブチタン合金(ごうきん)は一定温度以下(いっていおんどいか)(-269℃)にすると、電気抵抗(でんきていこう)がゼロになります。これを"超電導現象(ちょうでんどうげんしょう)"といいます。
この状態(じょうたい)で作(つく)ったコイルに一度電気(いちどでんき)を流(なが)すと 永久(えいきゅう)に、電流(でんりゅう)が流(なが)れ続(つづ)け、強力(きょうりょく)な磁石(じしゃく)となります。
これが超電導磁石(ちょうでんどうじしゃく)です。リニアモーターカーでは、超電導状態(ちょうでんどうじょうたい)を、 保(たも)つために液体(えきたい)ヘリウムを使(つか)っています。